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戸田克樹のコラム
第255話「たまには表示を見てみよう①~ゲゲゲ!劇薬!?その1~」

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2019年10月9日

シェパードでは獣医師を募集しています
 シェパードでは、関東地区の獣医療が不足している地域を支援するため、栃木県那須塩原市に支所を設けることにいたしました。2020年の4月に開設する予定です。経験、未経験は問いません。シェパードで研修後、現地勤務となります。募集内容は こちら から。

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今、中国地方への出張のため新幹線に乗車中です。「昨晩開催されたラグビーワールドカップの試合の影響で、次の駅から非常に多くのお客様が乗車されます。お手荷物など座席におかれないよう…」というアナウンスが聞こえてきました。どうやら昨日、熊本でラグビーの試合があったようです。いったいどれほどのビジターが乗車してくるのか、こうご期待です。

話は変わりますが、私の母校である、宮崎県のとある高校の先生の口癖をふと思い出しました。「ヒマだから教科書に書いてあるんじゃないですからね。大切だから、重要だから書いてあるんですからね。」。当時は「はぇ~( ゚Д゚)」としか思いませんでしたが、なるほど確かにその通りです。
ということで、今回からは身の回りにあるさまざまな「表示」に注目していくことにしました。まず第一回目は「劇」の文字に注目です。

注射をする人なら一度は見たことあるマークだと思いますが、そうではない人が見たら「ギョギョっ!!」と、びっくりされるかもしれません。

この劇薬マークはどういう意味なのでしょうか。
いくつか条件があるのですが、簡単に言うと、「ある量を超えて投与すると死に至る、規定投与量以上で連続投与すると副作用が生じる可能性がある、あるいは薬の作用が非常に激しい」というものです。結構シビアな文章です。ちなみに、劇薬よりもおおよそ10倍ほど効力(毒性)が強いものは毒薬とされています。

明確に数字で定義されている項目があるのですが、そこでは薬をマウスに投与してその半数が死んでしまった場合の量が基準になります。静脈注射した場合を例に考えてみましょう。1kgあたり100mg以下の成分量で半数が死んでしまった場合、それは「劇薬」です。同様にそれが1kgあたり10mg以下の成分量であれば、それは「毒薬」となります。このように、経口投与や皮下注射などの投与法ごとに基準となる数値が定められています。

劇薬表示のある薬は危険そう。牛さんに注射しても大丈夫なの?と不安になるかもしれませんが、大丈夫です。普通に使用している状態であれば問題はありません。その理由はまた次回。

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