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今回でウシの呼吸器のお話はおしまいです。 呼吸器は、ヒトを含め動物が生きていく上で必要不可欠な酸素を体の中に取り入れる重要な臓器の塊です。そのどれか一つに不具合が起きてもウシには重大な障害となり、体には多大なストレスがかかって余計なエネルギー消費が増えます。当然ながら餌食いも落ちて、ますますエネルギー不足になりますね。 肥育牛には、競走馬のようにたくさん空気を吸って過酷なレースに耐えられるような優れた呼吸器は必要ありません。普通に息ができて普通にガス交換ができればいいのです。ですが、時として“普通を保つ”のにはウシだけの力ではなく、農家さんのサポートが必要な時もあります。今の時期ですとやはり寒さへの対策です(佐々獣医師のコラム)。あとは扇風機の効率のよい設置で糞尿から出るアンモニアガスをしっかり換気してあげるなどです。また、ウシの肺は解剖学的に肺炎にかかりやすい(蓮沼獣医師のコラム67−69話)ので、それをしょうがないものとして放置するのではなく、ワクチン接種や導入時の抗生物質投与など、先手先手の「予防」でウシさんの呼吸器を守ってあげましょう!! |