2019年9月27日
* * * * * * * * * 台風が過ぎ去り、鹿児島はまたカンカン照りの日が続いています。いいお天気なので、休日に藺牟田池の外輪山に登ってきました。藺牟田池は薩摩川内(さつませんだい)市祁答院(けどういん)町藺牟田(いむた)という難読漢字のオンパレードみたいなところにある湖で、周囲に6つの山があり全て縦走することができます。 さて、前回まではウシとイヌの病気について説明していきました。今回はダニに刺されることで人間が感染する病気の代表的な2種類についてご説明させていただきます。 ①日本紅斑熱 日本紅斑熱はリケッチアという微生物が原因となる感染症で、この微生物を保有するダニに刺されることで感染します。症状は発熱、頭痛、四肢を中心とした紅色の斑丘疹などで、ダニに刺されてから2~8日後に発症します。発生は西日本に多く、治療には抗生物質が使用されます。ワクチンは存在しないため、予防はダニに刺されないようにするしかありません。 ②重症熱性血小板減少症候群 重症熱性血小板減少症候群はSFTSウイルスが原因となる感染症で、主にこのウイルスを保有するダニに刺されることで感染しますが、このウイルスに感染したイヌやネコからの感染が疑われる例も報告されています。症状は発熱、嘔吐、下痢、下血、意識障害、リンパ節腫脹などで、ダニに刺されてから6~14日後に発症します。日本国内では2013年にはじめて海外渡航歴のない人の感染が確認されてから、西日本を中心に年間50~90人ほどの発生が報告されています。治療は対症療法のみで、致死率は30%程とされています。 どちらの病気も予防にはダニに刺されないことが重要です。9月はダニが活発になるシーズンなのと同時に農繁期でもあります。外で作業されるときは肌の露出を避け、虫除けスプレーをするようにしましょう。 前の記事 イヌのバベシア病 | 次の記事 ぜにたむし |