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原田みずきのコラム
イヌのバベシア病

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2019年9月20日

シェパードでは獣医師を募集しています
 シェパードでは、関東地区の獣医療が不足している地域を支援するため、栃木県那須塩原市に支所を設けることにいたしました。2020年の4月に開設する予定です。経験、未経験は問いません。シェパードで研修後、現地勤務となります。募集内容は こちら から。

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9月も後半だというのに鹿児島は毎日カンカン照りで、日中は真夏のような暑さが続いています。ですがここ数日、朝晩はすこし涼しくなってきたように感じます。こんな時期は風邪を引かないよう注意が必要です。

先日、夏休みを利用して霧島連山の高千穂峰に登ってきました。
前日まで雨続きだったので天気が心配でしたが、予報に雨マークがなかったので決行。

火口まではいい感じだったのですが・・・

残念ながら山頂は霧がかかっていました。岩山のてっぺんに刺さっているものが、かの有名な天の逆鉾(のレプリカ)だそうです。

晴れていれば宮崎方面まできれいに見渡せるそうなので、今度は天気の良い日にリベンジしたいです。

さて、ダニが媒介する病気として、前回はウシのピロプラズマ病についてご説明しましたが、実はピロプラズマ病はイヌにも存在します(イヌではバベシア症といいます)。
イヌのバベシア症もウシと同じくマダニに刺されることによって感染します。日本国内ではBabesia gibsoniという原虫が主な原因となっています。Babesia gibsoniは西日本を中心に分布しているため、イヌのバベシア症は西日本での発生が多いです。

症状はウシのピロプラズマ病と似ていて、食欲不振、発熱、貧血、血色素尿症などです。治療は抗原虫薬の投与で、大半のイヌはこの治療により回復しますが、残念ながら体内から完全に原虫を排除することはできません。また、イヌのバベシア病に対するワクチンも存在しないので、予防するにはダニの駆除剤を定期的にかけてあげる必要があります。

9月はダニが活発になるシーズンです。大切なワンちゃんを守るために、しっかりとダニ対策をしてあげましょう。

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