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のどは空気の通り道であると同時に食べ物や水などの通り道でもあります。ここで、のどから先の空気の通り道である気管に食べ物や水が入ってしまうと動物は致命的な傷害を受けるので、そういうことはぜひとも避けたいわけです。そこで重要な役割を果たすのが喉頭であり、中でも活躍するのが前回のお話の中で出てきた(1)喉頭蓋軟骨です。 口から食道を一本の道と考えた時、鼻(鼻道)はその道に上から下りてくる“滑り台”、気管はその滑り台から続く“道の落とし穴”の様な構造だと言えます。空気が出入りするときは滑り台からスムーズに落とし穴に入るのでいいのですが、食べ物や水分が入ってきたときこの落とし穴に入ると大変です。ひどい場合には誤嚥性肺炎を起こして死んでしまう時もあります。そうならないために、落ちてほしくない落とし穴に蓋をするのが喉頭蓋軟骨です。食べ物が咽頭を通過すると嚥下反射(えんげはんしゃ)という反射が起こり、喉頭蓋が閉じて落とし穴をふさぎ、食べた物を食道に安全に運びます。 |