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池田哲平のコラム
牛の解剖9: 喉頭(1) ~鼻・口と気管をつなぐ架け橋~

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2009年9月19日

 呼吸器の入り口である鼻を過ぎると、空気は次にのどを通ります。「喉頭(こうとう)」とは“呼吸に関するのど”のことで、似たような言葉で「咽頭(いんとう)」というものがありますが、こちらは主に“飲食に関するのど”のことです。(「のど」で漢字変換すると、「喉」も「咽」も「咽喉」も出てきます!)
喉頭は以下の4つの軟骨で構成されています。
(1)喉頭蓋軟骨(こうとうがいなんこつ)
(2)甲状軟骨(こうじょうなんこつ)
(3)披裂軟骨(ひれつなんこつ)
(4)輪状軟骨(りんじょうなんこつ)
 これらの軟骨に小さな筋肉が複雑にくっついて、細かく正確な動きを生み出します。その結果、声門が閉じたり開いたりし、鳴き声を発生させます。またもう一つ重要な役割として、気管にふたをして食べ物を誤嚥しない様にも働きます。詳しいお話はまた次回にします。
 余談ですが、人の「のどぼとけ」は(2)の甲状軟骨のことで、牛でも大きな肥育牛以外は触れますよ!
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