(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
池田哲平のコラム
牛の解剖8: 副鼻腔(2) ~鼻血のもとは鼻じゃない!?~

コラム一覧に戻る

2009年9月12日

 副鼻腔は角にまで繋がっているので、角に病気や怪我が起きると、それが副鼻腔に波及し鼻腔を経由して鼻の穴から何か異常として観察される場合もあります。
 一つは、前回も少しお話した副鼻腔炎です。除角の時に角を深くまで切りすぎたりすると、副鼻腔につながってしまいます。この時、除角した端からバイ菌の感染が起きると、その感染が副鼻腔へと広がり副鼻腔炎になってしまいます。ひどい場合には膿がたまり、それが鼻から出てきて異常がわかります。
 他には、牛が柵などに角をぶつけて角が折れたりした時、鼻からツーっと鼻血が出てくる時があります。これも、角の根元で起こった出血が副鼻腔を経由して鼻腔に出てきたものです。外からは出血が見られなかったり、角の大きな変化が見られなかったりしても、鼻からの出血だけ見られる場合もあります。
 鼻をはじめ全身をくまなく調べてもはっきり鼻血の原因がわからない場合、ちょっと頭を触ってみると角がグラグラ…なんてこともたまにはあるので、鼻血が気になったときには少し見てみるといいかも知れません。
|