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笹崎直哉のコラム
お腹まわりのチェック①

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2019年9月3日

シェパードでは獣医師を募集しています
 シェパードでは、関東地区の獣医療が不足している地域を支援するため、栃木県那須塩原市に支所を設けることにいたしました。2020年の4月に開設する予定です。経験、未経験は問いません。シェパードで研修後、現地勤務となります。募集内容は こちら から。

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 8月末から今日まで秋雨前線の影響で天気予報はずっと雨や曇りマークで、涼しい日が続きました。夏に弱い笹崎にとっては好都合だったのですが、涼しくなってくるこれからの時期は夏場の暑かった日々を乗り越えてきた牛さんが急に食欲が落ちたり、便がゆるくなる時期に該当します。牛さんの体や身の回りの環境、食欲を再度チェックして対策をとっていきましょう。

 さて、自然哺育している繁殖農家さんは、一般的に子牛が3~6か月齢に到達するまでお母さん牛と一緒に生活し、その後離乳に入ります。この離乳までの時期は子牛の発育にとって本当に重要な時期ですよね。でもお母さん牛と一緒にいる頃は、お母さん牛の母乳がどういった乳質で、どのくらいの量飲めているかというのが分かりにくいものです。その判断の一助となるのが、お母さん牛の状態です。では写真を見ていきましょう。

 横から見ても、前から見てもお母さん牛のお腹は小さくなっていますので、ルーメンの状態が非常に心配です。眼を覗いてみると瞳孔も開き気味になっています。食欲は落ちていないかな、粗飼料の給与不足になっていないかな、身の回りの環境にストレスを感じていないかな、蹄葉炎になって蹄を痛めていないかな、、、等心配が募ります。この場合乳質、乳量の低下が疑われます。その答えが子牛さんに出ていました。やはり子牛さんの発育は好ましくありません。

 やはり普段から子牛と親牛をセットで注視して管理することは、自然哺育のステージでは非常に重要になってきますね。

つづく

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