2019年8月27日
* * * * * * * * * あれ、血が混ざっている、、、。 初乳の色といえば乳白色にやや黄色が混じる程度。今回は赤紫色になっており、いわゆる血乳になっておりました。これを確認後、農家さんには今日から母子分離をして人工哺育をするようにお願いしました。 血乳はホルスタインなど乳用牛で勉強した経験があります。しかし黒毛和種の牛さんでは初めてです。血乳の原因を考えてみると乳房炎によるもの、外傷や打撲によるもの、分娩後の生理的なものの3つに分かれます。生理的なものとしては乳腺内の毛細血管が拡張し、もろくなった際に破綻し、出血を起こしてしまうことが考えられます。お母さん牛は発熱もなく、乳房全体を視診、触診しても外傷や打撲等の形跡はありません。しかし、今回お話した3つの原因によるものに対処できるようビタミンAD3E、ペニシリンそれから消炎剤として水性デキサメサゾンの投与を行いました。なおペニシリンと水性デキサメサゾンは投与を続けました。感染性のものであれば、乾乳期の衛生環境が関係しますので、農家さんには分娩前の部屋の状態をよく確認して、必要であれば消毒を実施するようにお願いしました。 初乳の質について普段から意識が薄くなっているところでしたので、非常に勉強になりました。 前の記事 蹄を痛がる牛さんには② | 次の記事 お腹まわりのチェック① |