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松本大策のコラム
「かぃーの、だから汚しちゃうの」

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2006年11月29日


 牛舎を回っていくと、敷き料をはね上げて飼槽をさんざん汚してくれる牛さんに出会うことがあります。
 対策として前足や後足同士をロープでくくってはね上げられないようにしている農家さんもいますが、牛さんにとっては大きなストレスでしょう。
 なぜかというと、敷き料をはね上げる牛さんのほとんどは、シラミやダニ(ショクヒヒゼンダニ)の感染でカユくて仕方がないので、背中に敷き料をとばすのです。それなのに手足を縛られたらよけいイライラしますよね。
 まずはネグホンやバイチコールでシラミやダニを駆除してあげましょう。駆除剤も虫の卵には効かないので2〜3週間後にもう一回駆除する必要があります。
 これでもはね上げが止まらない場合は、シラミやダニへのアレルギーが強い牛さんの場合が多いです。そういう牛さんの場合は、シラミやダニの死骸が残っていてもカユミが消えないので、駆除した後によくブラッシング(金櫛などで)して死骸を取り除いてあげることが必要です。
また、アレルギー性皮膚炎になっている場合やカユミが強くてたまらない場合などは抗ヒスタミン剤(ラドン:ゼノアックなど)を1〜2日注射してやると治まります。
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