2019年8月6日
* * * * * * * * * 先日、難産で呼ばれたのですが「2次破水まで終わっているのに、母牛の陣痛がこない」との稟告だったので、急いで向かいました。 お母さん牛は高齢で多産のベテランさんでしたが、確かに陣痛が弱かったです。産道はしっかりと開いており、胎子の状態を確認すると、逆子でバイタルサインは良好でした。「あとは胎子が上がってきてくれれば」と願い、産道のマッサージをしても、お母さんは若干背中を丸めてくれる程度で、ほとんど無反応に等しい状態でした。 さらにここでピンチが訪れました。羊水が減ったため、産道が乾燥しはじめて滑りが悪くなったのです。これでは潤滑剤としての役割を果たす羊水がないので、その後の処置が困難です。解決策としてホースを用いて温かい生理食塩水を入れる方法等がありますが、今回はなんと、、、ローションを塗ってみました。先日研修にこられていた先生から頂いたアイデアです。これまた非常に効果的で、胎子がすぐに産道に乗ってくれたのと、下胎向といって胎子の背中が下を向いている状態から上向きに整復するもの容易にできました。ローションに助けられ、あとは慎重に娩出するだけだと安心した笹崎でしたが、「なに!!赤ちゃんが大きいではないか!!」というピンチが訪れ、経膣で出せないと判断し帝王切開になりました。古本獣医師に電話して応援にきてもらいましたが、真夏の手術は非常に体力が奪われます。しかも笹崎は夏に弱いです。手術が終わって長靴の中を見たら、汗の水たまりができていました。すぐ新しい長靴に交換しましたが、ここまで発汗したのは初めてです(泣) さて、話が脱線しましたが、今後もお産のときはローションを活用してみようと思います。陣痛の弱かったり、初産で産道の狭い牛さんにはよいかもしれませんね~。 前の記事 屋根って大事 | 次の記事 蹄を痛がる牛さんには① |