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笹崎直哉のコラム
屋根って大事

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2019年7月30日

 皆様お疲れ様です。梅雨が明け、ついに本格的な夏がやってきました。そもそも私が学生の時、実習で鹿児島県を訪れたとき、空港からバスに乗りかえて移動している最中に感じたのが「瓦屋根のお家が多いこと」でした。では牛舎の屋根はどうでしょうか。夏場であれば屋根に散水し、牛舎内の気温を抑える工夫をしている方もいれば、二重構造の屋根になっており、熱が伝わりにくくしてあったりといろいろなタイプがありますね。

 では屋根そのものの基材について考えてみましょう。最近、農家さんからお聞きしたことといえば「うちの屋根はスレート系だから夏は暑くてしんどい」とのこと。スレートとはセメントに繊維材料を混合して強化した薄い板状の素材で、軽量で安価であるのがメリットなのですが、断熱性に弱いのが欠点です。確かにスレート屋根の牛舎は体感でも暑く感じますし、その屋根の位置が低いほど、熱が伝わってきているように感じました。屋根の位置というのも重要ですね。それに対して瓦(粘土を使った焼きものの屋根材)は厚みや重さがあるため、耐熱性、断熱性、防音性に優れています。地震に弱いのが欠点ですが、瓦屋根は夏場にはもってこいですね。確かに、昔ながらのお家の一部が牛舎になっている年配の農家さんを伺ったときは、瓦屋根の牛舎でしたが「あ~涼しいですね~癒されます」と思わず口に出してしまうほどでした。結果的に鹿児島県が瓦屋根のお家が多いのは、夏を考慮しているためなのかなと、ふと思った笹崎でした。

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