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笹崎直哉のコラム
ライトを頼ろう

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2019年7月23日

 先日、お昼に食堂で昼食をとっていまして、途中御手洗にいったら「18歳と81歳の違い」という詩が壁に貼ってあり、読み込んでしまいました。ざっくりと箇条書きで書かれていた。

 ・心がもろいのが18歳、骨がもろいのが81歳
 ・まだ何も知らないのが18歳、もう何も覚えていないのが81歳
 ・自分捜しの旅をしているのが18歳、出掛けるまま分からなくなって、皆が捜しているのが81歳

80歳を超えた方で元気に牛飼いをしている農家さんまだまだいらっしゃいますが、負けずに頑張ってほしいという気持ちが増したと同時に、精神力や知識、学びをもっと向上させなければなあと焦った笹崎でした。
 
 
 診療時は常にペンライトを持ち歩いていますが、これからの季節は日が短くなってきますので、なお一層使う機会が増えてくることでしょう。
 まず、お母さん牛では膣鏡検査で用います。子宮頸管の開き具合い、粘液の量と色調をチェックしたり、分娩後30日程度のフレッシュチェック(分娩後、生殖器が回復しているかの検査)などでは頸管付近の膿の有無や膣鏡を(時計回りに)動かしながら、膣壁全体の膿の存在をみます。あんまり乱用してしまうと他の牛さんもビックリしてしまうし、「まぶしいぞ!」と農家さんに注意されてしまうので、必要最低限でおさめます(汗)。
 肥育の牛さんは、ビタミンAの充足度を知るために使うことが多いです。牛さんに近づいて、眼にライトを当てるだけです。ライトをずっと当てても眼の瞳孔が閉じるのに時間が掛かると、ビタミンAが消耗され、血中の濃度が低下しているものと判断します。夏場は特に気を付けていきたいところです。瞳孔が開きっ放しだと、残念ながら失明して、眼が見えなくなってしまっています。

 後は牛さんを驚かさないように、そーっと体全体を照らして、被毛の状態や蹄の周りをみることもあります。この前、天候が悪く、うす暗い中牛舎を歩いていたら、遠目では分からなかったのですが、ライトで被毛状態の悪い牛さんを発見しました。

 でも、いざライトが必要だって時に電池切れというパニック状態になったこともあります(泣)。やっぱり診療車に新品の電池を置く習慣をつけなければなりませんね~。

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