2019年7月29日 初乳の大切さについては、いまさら改めてお話しするまでもなく、みなさんに浸透していると思います。 まず、初乳給与の大原則ですが、 1,子牛が産まれて4時間以内(少なくとも6時間以内)に飲ませる。 ということは、かなり浸透してきていると思います。1は、子牛が初乳中の「抗体」を十分に吸収できる時間、2は、分娩後の母牛の初乳中に有効な「抗体の量」が含まれている時間です。 しかし、これだけでは不十分、というか、気をつけておかなければならない点があるのです。それは、「衛生的な初乳を飲ませること」。実際、お母さん牛から初乳を搾るときに、乳房を清潔に清拭して、清潔な手で搾ってあげないと、初乳なのか糞汁なのか解らない、なんて場面にも出くわすことがありますからね。写真の様に袋を手に装着して搾ると、汚れも混入しにくいです。 また、乳肉複合経営の場合などは、初乳の搾乳から保管まで、さらに子牛に飲ませる最後までの各手順・経路の衛生度を絶えずチェックしなければ、バイ菌などで汚染された初乳によって、かえって子牛の状態が悪くなることがあるのです。 搾乳のカップ・チューブ・初乳用バルク・ほ乳瓶・乳首などの洗浄消毒はしっかりしているか、消毒薬に浸かっていないようなことはないか、しっかり確認しましょう。 それから、一つだけ注意喚起をしておきたいのですが、初乳加温殺菌機というものがありますよね?パスチャライズといって、65℃で30分間の加温で初乳成分を壊さないで殺菌するというものです。確かに、この装置では 初乳中のバイ菌を壊しても、バイ菌のもつ毒素(エンドトキシンなど)は、加熱では壊れないのです。殺菌したところで、毒素が混じっていたら、せっかく子牛を元気にしようと思って飲ませている初乳が、かえって子牛に害を与えているかも知れませんよ。 前の記事 「V4処置」に変更します!(旧称「肺炎後処置」) | 次の記事 またまたやらかしちゃいました(事故じゃないよ!) |