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戸田克樹のコラム
第240話「いろいろな肝臓の薬④~残りの成分は解毒に利用~」

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2019年6月26日

少し喉がイガイガして咳が出ます。「カゼですの?」と聞かれますが、カゼではありません。
認めたら負けだと思っています。でも…とりあえず、咳止め飲んで落ち着きましょうか(笑)。

結論から申し上げます。ブドウ糖以外のレバチオニンの成分は「解毒機能の強化」と「円滑な代謝回路進行」につながります。

まず、必須アミノ酸(体内で合成できないので外部から摂取するしかしかないアミノ酸のこと)に分類されるメチオニンは肝臓における毒素の分解に必要な成分となります。

さらにその他の成分はというと、
・チアミン塩化物塩酸塩にはビタミンB1である「チアミン」
・リボフラビン酸エステルNaにはビタミンB2である「リボフラビン」
・ニコチン酸アミドにはビタミンB3である「ニコチン酸」
・ピリドキシン塩酸塩にはビタミンB6である「ピリドキシン」
と、複数のビタミンBが含まれているわけです。
ビタミンB群はクエン酸回路を回すために必要でしたね。クエン酸回路が滞りなく回り続けると、その過程でできる成分からエネルギー源となる脂肪酸やアミノ酸が作られます。性ホルモンの元になる物質の生産も行えるようになります。

ということで、レバチオニンは「肝臓の解毒作用を最大限にバックアップしつつ、生産回路もサポートして体力を維持していこう」というふたつの方向から肝臓をいたわってくれる薬剤なのでした。

中毒性の症状を呈している牛やエンドトキシンが体中に回ってしまったような症例ではパンカル注よりレバチオニンの方が好ましいでしょうし、両方とも併用するという選択肢をとってもいいですね。

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