(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
戸田克樹のコラム
第239話「いろいろな肝臓の薬③~いろいろあるよねレバチオニン~」

コラム一覧に戻る

2019年6月19日

夕方まで診療がんばって、会社に「お疲れさまで~す!」と元気に帰ってきたときに気付きました。服がくさい!どうやら汗のにおいとの闘いはすでに始まっていたようです。細かな着替えが必要です。

今回の主役はレバチオニンです。
この薬剤の特徴は含まれる成分の種類が多いことでしょうか。
具体的にはブドウ糖、メチオニン、ニコチン酸アミド、チアミン、ピリドキシン、リボフラビンの6種類です(含有量の多い順に記載)。肝機能補助を目的とした注射薬の中ではもっとも含有成分の種類が多い薬剤ではないでしょうか。

では含有量の多い順にそれぞれどのような役割があるか見ていきましょう。

まずはブドウ糖です。
肝臓はグルコースをグリコーゲンという形に合成して長期保存できるようにしてくれています。血糖値が下がるとグリコーゲンを分解してグルコースに戻し、血中に放出する、という作業を行い私たちの血糖値を一定に保ってくれています。しかしながらそうした機能は肝臓そのものがダメージを受けている場合や解毒反応を必死に行っているときには弱まってしまいます。血糖値を上げ、さらに糖というのは重要なエネルギー源になりますので、肝細胞へのエネルギー供給も併せて行うという意味でもブドウ糖がたっぷりと入っているようです。

むむむ…字数制限がやってきたので残りは次回に持ち越しです。

|