(でんでん虫のメロディーでどうぞ)
く〜ろく〜ろ、う〜しう〜し、わ〜ぎゅう〜め〜す〜♪お〜まえのに〜くし〜つ五〜等級〜♪つのだせ♪やりだせ・・・
・・・ね、粘液出しですか!? は、発情は困ります(涙)!!!
(このでんでん虫のくだりは過去のコラム「玉ちゃん」を踏襲しています・・・)
さて、雄子牛は習慣的に概ね3〜6ヶ月齢で去勢、すなわち精巣の摘出を行ないます。雌には卵巣摘出(SPAY)をする習慣はないのですが、時に摘出を行なうこともあります。
イヌネコの場合には“避妊”として、読んで字のごとく妊娠の回避をする目的で行なわれます。また、生殖器や性ホルモンに関連する疾患の発生率を低減することも大きな目的の一つとなっています。
ウシに関しては、そもそもはETや体外受精など胚の移植や培養のために卵巣を回収することを目的に行なわれ始めたもののようです。やがて、その目的による摘出は行なわれることが少なくなってきたのですが、それ以外のメリットとして、卵巣摘出を行なった肥育雌牛においては発情行動、闘争、乗駕、咆哮、などの問題行動を抑え、それに伴うアタリや滑走、運動器の事故等を防止できるなど、飼養管理の改善が認められています。事故率の低減というのは今の時代、特に大きなメリットだと思います。肉質や増体に与える影響は多くの調査報告がありますが、各々の結果はマチマチで、おそらく母集団の数が足りていないのでは・・・という印象です。少なくとも悪影響はなさそうだということまでは言えそうです。私は摘出を積極的に行ないいい牛を作っているスゴ腕農家さんを近所で見ているので、やっぱり摘出すると肉質いいのかも・・・と感覚だけですが思っています。
卵巣摘出は特に珍しい話題というわけでもないのですが、私はこれまで一度もみたことがありませんでした。これまで何度も事務所の近所の農家さんでも行なっていたのですが、いつもタイミング悪く見学できませんでした。しかし、先日ついに念願かなって摘出の第一人者、ZENOAQの大久保先生の摘出現場に立ち会わせていただくことができましたのでその写真を掲載します。
見事なチームワークとよどみない手技で、丁寧に解説していただくというありがたいサービスも付けていただきながらも、スムーズに摘出が行なわれていきました。速かった・・・
大久保先生、一木さん、農場の方みなさん、見学させていただきありがとうございました。