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笹崎直哉のコラム
鑑定結果マイナスを喜びへ その1

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2019年6月18日

 皆様お疲れ様です。先日大学院の実験の関係で大学を伺ったのですが、ミーティングの後に3年ぶりに大学の図書館に入ってみました。ちょうど大学側が定期試験前だったためか、学生さんの利用が多く、机で調べものをしながら黙々と勉強している方が多かったです。調べたいものがすぐ近くの本棚にあるという環境がいいなあと魅力を感じたので、今度来るときは図書館に寄って、勉強してみようと思いました。とてもいい刺激になった1日でした。

 さて今回は妊娠鑑定で意識していきたいことをテーマにお話します。
 妊娠鑑定、すなわち妊娠診断の方法は様々あります。現在は直腸検査や超音波(エコー)検査にて判断することがメインとなっています。その他には受胎している牛さんは黄体期に入っているので、プロジェステロンの数値を維持していることを基に、AI後21~24日に血液や乳汁を採ってプロジェステロンの数値を測定し、妊娠の有無を確認する方法もあります。さらにノンリターン法とって、AI後に発情がこないことで、妊娠の徴候とみなす方法もあります。しかし妊娠していても、発情の徴候を示す場合(学生のときは裏発情と私は習いましたが)がありますので、注意する必要があります。

 ここで妊娠鑑定の際に意識すべき点をお伝えします。それは「妊娠マイナスの牛さん」です。鑑定の結果、妊娠プラスだった場合にのみ「よかったー!!」と喜ばれる農家さんが多いのですが、妊娠鑑定の本当の目的は妊娠していなかった牛さんをとにかく早く見つけることになります。そこでもう一度AIできるように準備をすすめていくことが重要になってきます。なので妊娠マイナスの牛さんはプラス思考に変換し「残念だったけど、早く発見できて良かった」と喜びにつなげていきましょう。

つづく

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