(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
伏見康生のコラム
「NO.144 「熱中症 その三」」

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2011年7月13日

 牛にとっては中途半端な冷却は体表の毛細血管を収縮させるだけで、かえって放熱の妨げになってしまっているということも考えられます。そこで牛をガツンと冷やすため、二つほどアイデアを考えました。

 まず一つ目は、牛用浴槽の設置なんてどうでしょうか??浴槽が設置されると・・・

 「おい!!牛の体温がすごいあがって、呼吸も速くて危ないそうだ!!はやく来てくれ!!
 「(落ち着いた様子で)はい、すぐに向かいます。が、とりあえず例のプールに入れといてください。
 ・・・農家さんは牛をプールに連れて行き上から牛にじゃんじゃん水をかけると、牛は冷えながら徐々に水に漬かっていく・・・
ブロローン・・・キッ・・・バタンッ
 「牛はどうですか!??
 「おうっ、とっくに呼吸も落ちついとるぞ。
 予定通りだぜ、しめしめ。
 「じゃ、パンカルとビタミンちょい足ししときますね。」・・・

 となるのではないでしょうかっ(笑)!

 よし、診療先のS畜産の社長を説得して牛舎に穴を掘ってスロープで進入するタイプのコンクリートのプール作ってもらおう、とか、費用対効果は、排水、給水は、などいろいろと妄想しながら調べていると、牛用の水槽が製品としてあるという情報を得ました。KIRBYというアメリカのTMRミキサーを主に販売している会社が移動式の牛様水槽を製作販売しているということです。やはり、とっくに考えている人はいるんですね〜。
 その名は「アクア・カウ・タンク」。写真や説明を見てみると、水の浮力を利用して起立不能牛の介助と治療をするために作られたもの。サイズといい、トレーラーで移動できる点といい、すごくよさそう。そして・・・意外と鉄工所にお願いすればシェパードでも作れそうな感じ・・・出張プール治療みたいな・・・あ、パテント・・・。
 詳しくは、こちらのサイトに情報がありますので、興味のある方はご覧ください。

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