(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
松本大策のコラム
「子牛の目がかたっぽ小さい その2(マイコの疑い)」

コラム一覧に戻る

2006年11月17日


 子牛のほ乳中(特にほ育ロボットのカーフコート)や、ハッチやケージで個別ほ乳した子牛を育成マスに移動して群編成したときなどは、群編成ストレスで免疫が低下します。肥育の導入時も同じです。
 このときに食欲のない牛さんを見分けるのは大変な作業かもしれません。でも早期発見できるかできないかで、その後の苦労がぜんぜん違うのです。
 マイコプラズマの初期症状の一つに、「片方の目が小さくなる」というものがあります。片目だけまぶたが重く下がってきてトローンと眠そうな目になるのです。このときに小さくなった目と同じ側の耳の付け根をさわると、反対側よりも熱く感じます。汁もでていないけれど、すでに片方の耳の中(中耳)では炎症が始まっているのです。その炎症のために片側の頭が痛かったり重かったりするので同じ側のまぶたも重く下がってくるのでしょう。
 片方の目を見ると、いかにもかわいい子牛のやんちゃな目なのに、もう片方の目を見るといかにも元気がない感じが写真でも解ると思います。
 このときに気づいてあげられたら、その牛さんはきっとすぐによくなると思いますし、感染が群全体に広がることもないと思います。「健康な牛の目はかわいい」というのは、元東京食肉処理場の西こういち専務に教わったことですが、両方の目ともかわいいか、しっかり見てあげましょう。
|