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笹崎直哉のコラム
カーフハッチについて その3

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2019年6月4日

 皆様お疲れ様です。梅雨明け宣言を今か今かと待ち遠しく感じる笹崎です。趣味で週に3日実施しているダンスの練習ですが、暑さや湿気の影響で、一回の練習で500mlのペットボトルの水分補給で済んでいましたが、今月に入って1L以上のペットボトルを準備します。この前の発表会も案の定汗だくになりました。これからはどうしても気温の上昇にともない、パフォーマンスが下がってしまいますが、予防策を考えて頑張っていきたいです。
 
 
 前回はハッチの間隔についてお話しましたが、床と壁の状態はいかがでしょうか。床は綺麗でも、過去に下痢していた頃の糞便が壁に飛び散って付着したままになっていると、病原体をうつしてしまう可能性があります。ハッチに移したばっかりの時は、特に腸上皮に感染して毒素を生産する細菌(毒素原性大腸菌など)による下痢の発症が多いとされます。この時期以降の下痢も非常に悩ましく、体重も増えていかない上に体力もなくなり、離乳前の子牛で亡くなってしまうケースも多いのです。治療の反応が悪いときは床はもちろん、ハッチの壁にも注目してみましょう。

 ここで哺乳期で健康な子牛と下痢をしている子牛の1日あたりの排糞量を比較してみると、実は下痢をしている子牛の方が明らかに糞量が多いです。何倍といったレベルで差が出ていますし、腸の炎症の程度が大きければ大きいほど、糞量は増えていきます。このような状態が続くと脱水症状に陥ってしまい、ぐったりしてしまうのはよくわかります。感染させないために床や壁、ハッチの間隔を改善しましょう。あとは綺麗な水と餌場の設置をうまくできれば一安心です。ハッチの期間は特に子牛の口に入っていくものに細心の注意を払っていきましょう。

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