私たち、繁殖検診・・・をしております。
酪農家さんでは当たり前のように行われる繁殖検診ですが、和牛繁殖も大規模農家さんが増えてきている現在、牛群の分娩回転やBCSの動向を捉えつつ個体の繁殖サイクルを継続的に追跡できる検診スタイルの繁殖サービスは今後ますます需要が伸び・・・
・・・っと、現状など固い話題に入るつもりはないのです。今回コラムで取り上げたいのは検診時につける母牛の目印についてです。
繁殖検診では、あらかじめ台帳をチェックして診察(直検)する牛を決めておき、妊娠鑑定、治療などをおこなっていきますが、お目当ての検診対象母牛が「あ、私、検診対象ですか?ハイハイでは私たちはこちらに整列してスタンバイしておきますので・・・」となるはずは無いので、当然て〜んでバラバラにスタンチョンに入っていきます。そんな中効率よく検診を進めるため、スタンチョンに入ったところで対象母牛に目印をつけておきます。そうすれば畜主さんはスタンチョンの前を歩きながら「次はこの子・・・、そしたら次は2つ隣・・・」と、母牛のお尻側にいる獣医師に伝え、進めていくことができます。
そのときにどんな目印を用いるか?
一番最初はチョークを使ってみました。チョークで飼槽にマークするとシンプルで簡単でしたが、次回もそこにチョークの跡が残り間違いの元に。よって毎度チョークを消す手間がかかりました。
そこで次に、ビニール紐で作った輪っかをスタンチョンに掛けてみました。この方式だと牛の前から(畜主)も後ろから(獣医師)も目印が見えて、さらに効率は良くなったのですが、輪っかの取り忘れ、紛失などがやっぱりありました。
そんなときにI畜産のTさんが始めたのが、ノコクズを背中にかけるというやり方。これがかなりイイ!!まず畜主はてみにノコクズを少し入れて持ち、すなかけばばあよろしくノコクズを握って背中に投げるだけ。スタンチョンにズラーっと並んでいる母牛の黒い背中に突然白い背中が見えるので前からも後ろからも視認性は抜群。そして、検診終了後も数日かかって自然と取れていくのでそのままでまったく問題なし。以後すっかりこの目印に定着しました。また、発情かな?って牛を見つけたときなんかにもぱさっとかけておくと、夕方あたりにスタンディングを見たりして「やっぱりあの子か」という使い方もできます。