(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
伏見康生のコラム
「NO.138 「走るんです!!(その1)」」

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2011年6月1日

走るんです、雌が!

 どういうことかといいますと、今までに「牛が走り回って様子がおかしい!」と言う稟告で度々呼ばれることがありました。

 決まって患畜は雌で、症状は明らかに疝痛によるものであり、部屋の中を飛び跳ねるようにばったばったと走り回り、尻尾を鞭のように激しく振り乱し、タップダンスのように後ろ足をばたつかせ、びっしょり汗をかいてふうふうと肩で息をするというものです。その暴れっぷりは激しく、繋いでも聴診できないほどにお尻をフリフリ、尻尾をフリフリしている子もいます。一目で、「ただ事ではない」オーラが雌牛から漂っていますので、見ているこちらもアドレナリンが出てきます。
 ところが暴れスイッチがどこかにあるのか、痛くないときはそれこそな〜んもありません。診察しても、体温、胃動、肺音、消化管蠕動音、糞便等は特に異常なしなのです。
 農家さんの特徴は特に見当たらず、ぽつぽつと散発し、再発の記憶もありません。
 月齢はどちらかというと若い子に多く、2ヶ月くらいの子牛からせいぜい肥育開始1、2ヶ月くらいまでだったと記憶しています。

 プリフィニウム、フルニキシン等の処置でまったく問題なくなるのですが・・・

 あっ!つづく!

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