(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
伏見康生のコラム
「NO.137 「キンタマもみもみ」」

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2011年5月25日

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・・・違います、違います!シェパードのホームページで卑猥な話を展開しようとしているわけではありません!コラムのタイトルを見て、ドキドキしながらページを開いてくださったみなさん。今回のコラムはそんな期待を大きく裏切るソフトな内容ですのでご安心してお読みください・・・

 治療のため私たちは毎日牛を捕まえます。人間同様に牛の性格も十人十色、千差万別で、すんなりと捕まってくれる子もいれば、近寄っただけで生命の危機とばかりに大暴れする子もいます。牛にロープをかけたら、丁寧な診察と確実な処置のためぴったりと鼻を柵に付けてくくらなくてはいけません。ところが、いるんですね〜・・・超頑固な牛が。柵に寄せようと引いてもちっともびくともせず、押そうかと思い後ろへ回ろうとするとバタバタと右往左往する牛が。
 知恵比べ、体力比べの後、ようやっと柵と鼻がくっつくまであとこぶし1つ分、となったとき・・・「ここだけは絶対に譲らんぞ」とばかりに往年の大関霧島(現陸奥親方、鹿児島県出身)ばりの土俵際の粘りを思わせる抵抗を見せる牛がけっこういます。あとほんとに10cmくらいなのに寄せきれない(汗)。後ろに重心をのせられたら、たとえ子牛であっても柵に鼻を付けるのはかなり難儀します。
 さてその時、みなさんはあとこぶし1つ分、どうやって牛を進めますでしょうか??力ずくでロープを引きますか?お尻を押しますか?尻尾を捻りますか?私なら迷うことなくキンタマを揉みます。
 キンタマ(正確には皮ですけど)を揉むと、多くの去勢牛は「腰砕け」します。私も雄として気持ちは解る気がします。腰がカクンと沈み、「土俵際の粘り」に隙が生じますので、ロープを引けばスイっとひきつけられます。牛によってはすすんで前にいく子もいますので、出荷にもおすすめです。そして安全に牛をつなぐことができます。予断ですが揉めども揉めども動じず、泰然自若としている子もいます。鉄の心を持っているのでしょう。

 以上、今週のどうしようもないコラムでした〜。

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