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伏見康生のコラム
「NO.136 「ひょっとして、花粉症??(その2)」」

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2011年5月18日

 事務所に帰って、その話をすると・・・
「花粉症なら一回の治療で治ったりしないでしょ。」
「・・・ム!(絶句)」
 なんてその通り!まったくもってその通り!

 やっぱりアレルギーとは思うのですが、原因は多岐にわたりそうです。症状が重くなると腸管にも浮腫が起こってくるため、直腸から混血粘液を絞り出す子もいます。現在、原因として怪しいものを一つ目をつけているのですが、まだまだ調査段階です。

 さて、人医療では「目腫れ(正確にはまぶた腫れ)」がどのように解釈されているかというと、メルクマニュアルでは「まぶたに刺激を与える要因として最も多いのはアレルギー。原因としては、化粧品、花粉や空気中の物質、ニッケルなどの金属類、点眼薬などがあります。虫刺されや、細菌、ウイルス、真菌(カビなど)による感染なども、まぶたの腫れの原因となります。旋毛虫(線虫の1種)の寄生により起こる旋毛虫症や、遺伝性疾患である遺伝性血管浮腫でも、まぶたが腫れることがあります。ドライアイも眼球やまぶたに刺激を与えます。」となっています。そして、このうちの血管浮腫を詳しく調べていくと、クインケ浮腫という疾病に行き当たりました。画像等を見ていくと・・・牛の目腫れとそっくり!!すごいそっくり!!ちょっと普通のアレルギーによる腫れとは比較にならない違いがあります。
 クインケ浮腫は蕁麻疹と同様に皮膚の毛細血管の拡張と透過性の亢進によりおこりますが、真皮深層や皮下組織など深いところで炎症を起こすという点で蕁麻疹と異なるそうです。原因には遺伝のほか、ACE阻害薬があります。ACE阻害薬(降圧剤)によりブラジキニンが産生され、それが血管透過性の亢進を招くのが原因とされます。
 アレルギーなのか?毒物なのか?・・・さて、ここでおきまりのパターン・・・「目腫れ」についての有力な情報、「これはっ!」みたいなおいし〜い情報、どんどん受け付けております。掲示版でディスカッション、facebookでの連絡もおまちしております(笑)

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