(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
伏見康生のコラム
「NO.135 「ひょっとして、花粉症??(その1)」」

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2011年5月11日

 春が近いだの、冬が終わるだのとつい先日話していたようですが、あっというまに雨と湿気の季節が迫ってきました。じめじめいやですね・・・

 コラムを読んでくださるみなさんは写真のような「目腫れ」を何度か見たことがあるのではと思います。(今回は関係ないですがその親戚に「スソ腫れ」もいます。) 「目腫れ」はアレルギーにより生じたヒスタミン、ブラジキニンなどの炎症メディエーターやエンドトキシン等の毒物が、瞼という皮膚の弱いところに炎症性浮腫を起こした結果と考えられています。したがって、抗ヒスタミン剤や、コルチゾールの単回投与で軽快します。
 原因がはっきりしているところでは薬物のアレルギーがあり、ペニシリン等の抗生物質、種々のワクチンなどが挙げられます。その他に、とある牛のエキスパートの先生は「カビ毒が原因」とおっしゃっていますが出典は不確かです。しかし、注射などをしていない牛の目が腫れたりすると毎度「何が原因なんだろう・・・」と思っています。

 1月半ほど前のとある日、Sさんに往診に行ったとき目が腫れた牛がいました。おもむろにSさんが、
 「せんせぇ〜、この子花粉症かなぁ〜、去年の春も目が腫れたんだよ〜
 「・・・ム!(絶句)
 なんて斬新な発想!た、確かに春先に多ございます・・・花粉もアレルギー反応を引き起こして、人間なんて春先には抗ヒスタミン剤が飛ぶように売れるわけだし、牛だって花粉症あるかも!?

(つづく)

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