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松本大策のコラム
和牛肉のこれからを考えてみた! その1

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2019年4月19日

 と、今回はユーチューバーっぽいタイトルにしてみました。というか、この問題に対して僕自身混乱しているせいか、題名もうまいものが思いつかなかったのです。

 これからの時代や出来事を考えてみると、まず来年は東京オリンピックが開催されるので、こちらはオリンピック村に限らず、外国人観光客の特需が見込まれており、とてもよいニュースです。
 それから、第5回日中経済ハイレベル対話が14日に北京で開かれ、日本産牛肉の対中輸出解禁に向けた条件の1つである「動物衛生検疫協定」について実質的な共通認識に達したというニュースが流れてきました。簡単にいうと、すぐに「和牛輸入解禁」というわけではありませんが、このまま話し合いが進めば、解禁になるだろうということです。そして、僕は経済的に問題を多く抱え、日本の協力を仰ぎたい中国は、必ず輸入解禁に向けて動くと考えています。さてこれらはいいニュースですが、当然心配なこともあります。

 僕が一番心配しているのは、国内消費の低迷です。今はお手軽に世界中の食べ物が食べられます。コンビニエンスストアは大変便利なものですが、「料理の鉄人監修のフレンチ」とか「有名ラーメン店監修のカップラーメン」とかを安価に提供していることには個人的に問題を感じています。だって、料理の鉄人のフレンチが数百円で食べられるわけないでしょ?「監修」したといっても、それはあくまで「まがい物」です。でも多くの人がそれを食べて満足している。
 「そんな高級フレンチなんて、高くて手が出ないよ!」と言われそうですが、滅多に食えるもんじゃないから食べられたら感激!という幸せもあるんじゃないでしょうか。美味しい牛肉にしても、僕らが子供の頃ステーキといえば¥10,000円の、まさにあこがれの食べ物でした(ええ、どーせ古いジジイですよ)。でも、輸入牛の安いステーキを5回食べる代わりに、本当に美味しい和牛のステーキを食べてほしいし、よいものは高い、だから頑張って働く!というようなプラスの循環を妨げているように思うのです。バッグや時計にはお金を使うのに、大切な食べ物にお金を使わないのは、自分を大切にしていないようにも感じます。

 さて、他にも不安要因はあるのですが、続きは次回!変な心配ですよなのですが、十分脅威となる恐れがありますよ..。

(続く)

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