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松本大策のコラム
和牛肉のこれからを考えてみた! その2

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2019年4月22日

 前回の続きです。さて、もう一つの懸念が今年のオーストラリアの猛暑・干ばつです(オーストラリアは、今が夏ですからね)。すでに牧草業者さんには、割り当て分しか入ってこない状況ですが、この牧草の入手困難が一つの懸念材料。もう一つは、オーストラリアで放牧されている牛さんの食べ物(牧草)が枯れてしまうと放牧が困難になって、大量にお肉として市場に出回るのではないか?という心配です。以前も、同様の出来事がありましたよね。

 最後に荒唐無稽と思われる懸念をお話ししましょう。

 遺伝子組み換えやクローンを人間にまで応用している中国です。この際、神様の領域ということは置いておいて、もし和牛のよい肉を中国に輸出したとき、その体細胞から「和牛クローン」が作られたらどうしよ?と、心配性の僕は考え込んでいるのです。

 いつも懇意にご指導いただいている山口大学獣医学部繁殖教室の高木光博教授にも問い合わせてみました。高木先生は大変親切な方ですので、さっそく専門である徳島大学の音井先生に問い合わせてくださいました。すると、基本的に冷凍肉からの体細胞クローン作成は可能であるということでした。確かにマンモスも同じような考えでクローン作成が計画されていますよね。

 ただし冷凍肉を融解して店頭に並んだ段階では厳しいかもということでしたので、日本からの輸出はチルドがよいかも知れませんね。

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