特徴と違いについて詳しく説明させていただきます。
1、今まで発生が見られなかった農場で発生している
これまで私たちの管内で外耳炎の発生は確かにありましたが、その発生は特定の農家さん2件(同じ敷地)にほぼ限定され、他の農場での発生は極めて稀でした。その外耳炎は前述のように感冒症状に伴って発生することが多かったですが、他の農家さんに伝染するということはありませんでした。その現状から個人的には「感冒→
耳道の分泌亢進と免疫低下→細菌の日和見感染」といった発症のメカニズムを立て、起因菌は当該農場の環境中に常在する細菌だろうと考えていました。
ところが昨年の夏ごろから、上記2農場以外でも外耳炎が多発する農場が現れ、さらに、単発の発生でも外耳炎が多くの農場で見られるようになりました。
なにやらおかしいなと違和感を感じていたところ、ある日Kさんで白色の膿を排出する外耳炎の牛(12ヶ月齢)が出ました。いつものように治療をし、3日後には症状は治まったのですが、その直後に近くのⅠさんの子牛(3ヶ月齢)でも同様の症状の外耳炎が出ました。実は私は、Kさんの牛の初診のあとにⅠさんでこの子牛の腸炎の治療をしいていました。そして、Ⅰさんの子牛が発症(2日でよくなる)・・・
以降、今回の外耳炎がこれまでのものとは異なり伝染力があるのではと思うようになりました。
(つづく)