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私が獣医師として診療をするようになってからこれまでは、「耳垂れ」といえばまず子牛ではマイコプラズマ性中耳炎でした(詳しくは過去のコラムを見てね)。こいつは耳垂れに加え、持続性の高熱、化膿性中耳炎、顔面神経麻痺、斜頸等の症状を伴う難治性の強烈な病気で、感染力も強いです。 また競り後の肥育素牛で見られるのは単純な外耳炎で、飴色の耳汁が垂れて乾き、耳介周囲の毛がカピカピになって、感冒症状が少し見られるといったようなものです。こちらは感染していくというよりは、風邪を引いて弱ったところに日和見的に発症するという印象でした。
しかし、ここ最近多発している外耳炎は、もちろん典型的なマイコプラズマ性中耳炎ではなく(症状がまったく違います)、今までの日和見的外耳炎とも異なる印象があります。特にそう感じるのは、前回挙げました特徴の1番の「今まで発生が見られなかった農場で発生している」と3番の「外耳道から多量に白色膿が排出される」の2つの部分です。
(つづく) |