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伏見康生のコラム
「NO.122 「お産もち」」

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2011年1月12日

 お産もち。お産もち・・・て何?
 これはお産とおもちをくっつけて私が勝手に作った造語です。お正月ですし、お産で子牛が生まれておめでたいおめでたいということでみんなでストーブを囲み、おもちでも焼いて食べてお祝いを・・・みたいなイメージをしてしまいそうですが、まったく違います。

 写真をご覧ください。はい、こちらがお産もちになります。簡単に説明させていただきますと、牛のお産の際、第一次破水(尿膜水)の中にときどき出現するおもちのような物体です。

 最初の出会いは一昨年の冬だったでしょうか・・・Nさん宅で夜中にお産に呼ばれ、産道のマッサージをしていたところ、刺激により破水しポロリ。同じ年のやはり冬にUさんでも横になった母牛が破水し、はいポロリ。その後はやや間が開いて、昨年の8月Sさんで子牛を引き出した後に母牛の腟、子宮の状態を確認していたらポロリ(写真)。

 最初はあんまり気にならなかったのですが、出会うほどにこのおもちがいったい何なのかだんだんと謎は深まっていきました。書籍にも記載は無く、学校でも習ったこともありません。きっと落屑上皮などが固まったものだとは思うのですが、次に出会ったら絶対ホルマリンに漬けて病理検査を・・・と思っていたところです。しかしそんなときに限って、と〜んと出会わないものです。

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