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戸田克樹のコラム
第229話「長(おさ)がいなくても回る現場づくり④」

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2019年4月3日

従業員同士の会話のハードルが下がれば、「仕事を頼む」「仕事を指示する」といった上の立場の人がやるべき業務も行いやすくなるはずです。人に仕事を頼みにくいタイプの方であっても、相手と良好な関係が築けていれば、気負うことなく仕事を頼むことができるでしょう。

指示を受ける側にとっても、普段から会話があるのとないのとでは大違い。指示の文言に含まれない「細かいニュアンス」をくみ取れるかどうかという差が生じてきます。指示の内容がよく理解できなければすぐに質問ができる関係ができているでしょうから、指示の誤認が発生することも少なくなるでしょう。

さらに欲を言えば、指示する仕事内容について「ある程度のマニュアル」があると便利です。
すべてを文章に起こす必要はないのですが、農場に必要な一般的な仕事については「業務リスト」として文章に起こしておきましょう。新しく来てくれた新人さんでもすぐに仕事が始められるテキストがあれば、先輩が教える手間が省けます。さらに、仕事を効率よく覚え、実施することができれば、次のステップに進むのもより早まるのではないでしょうか。

いきなりゲームを始めるか、攻略本を手元に置きながら進めるか、ではクリアにかかる時間はまったく異なりますよね。そうしたイメージです。
でも、忙しい業務をこなす中で新人のためにマニュアルなんか作っても…。
と思う方もいらっしゃると思います。しかしながら、マニュアル作成には「作る側のメリット」だって存在しているんです。「ある程度のマニュアル」でいい理由も含めて、その辺はまた次回…。

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