日本短角種の歴史はこの伝統のある南部牛に、明治4年6月に米国から導入されたショートホーン種(短角種)を交配させたことから始まります。すると、交配により大型の雑種牛が作出されました。
その後明治末期には雑種万能時代(“黒毛和種の歴史”で前出)を迎えました。さらには産業の変化、流通の発達、需要の変化に伴い外国種の導入が盛んになり、南部牛は減少し、ホルスタイン種やエアシャー種、短角種が主流となっていきました。
そのような厳しい状況の中、北海道や東北地方各県では南部牛を基として独自の改良が重ねられていきました。北海道ではショートホーン、デイリーショートホーン、デボン、エアシャー各種を交雑し、青森では昭和11年にショートホーンを輸入し交配しました。当時は名称についても各県バラバラで褐毛東北種、東北短角種、短角種系などと呼んでいました。
この時各県が基礎牛として用いた牛が純粋な南部牛だったのか、それとも明治期に作出された雑種の子孫だったのか、いつ各道県に導入されたのかなどは正確な情報は得られませんでした。
■写真は(社)全国肉用牛振興基金協会様サイトよりお借りしました。