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伏見康生のコラム
「NO.95: 「褐毛和種のお話(4)〜熊本系その2〜」」

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2010年6月23日

 その後、明治40年に広島県比婆郡の七塚原種畜牧場(No75参照)からシンメンタール種の牡牛2頭を入れ交雑したところ、成績がよかったので、その後も大正9年に至るまで引き続きシンメンタール種とその雑種の牡牛28頭を入れ、また大正11年には直接スイスから本種1頭を輸入しています。シンメンタールは今日の熊本県の褐毛和種の基礎を築く上に非常に貢献しました。 ただ一面では、白斑の出現や骨格の粗大等の欠点も見られました。

 ともあれ、シンメンタール種が熊本系褐毛和種の成立に寄与した点ははなはだ大きく、今日、褐毛和種種雄牛として供用されているものの祖先を尋ねれば必ずルデー號、スイス號、チンゲルホールン號、川瀬號、そしてブルダ號という5頭のシンメンタール種およびその雑種種雄牛にたどり着くといわれています。 中でも明治末期に導入されたルデー號は肥後あか牛の改良の基礎となった名牛として名を残しています。サラブレッドと一緒ですね!

写真は(社)全国肉用牛振興基金協会様サイトよりお借りしました。

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