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伏見康生のコラム
「NO.94: 「褐毛和種のお話(3)〜熊本系〜」」

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2010年6月16日

 熊本県では昭和の中ごろまで、天草のみが黒牛を飼育し、その他の地域は全部褐牛を飼育していました。

 熊本県にはもともと肥後あか牛と呼ばれる褐色の毛を持つ牛が飼われていました。そもそもの肥後あか牛は古くより阿蘇周辺にて飼育されていた牛で、在来牛と朝鮮牛に由来します。九州の地理的関係から度々輸入された朝鮮牛と在来牛とが交雑しながら、熊本の気候風土に順応して、矢部牛、阿蘇牛、球磨牛などとして増えていったとされています。当時のあか牛は小型、晩熟で、毛色も多様でした。
 明治に入り、明治14年、20年、35年ごろの三度、デヴォン種を交雑したことがあり、その結果大型化、早熟になりましたが、毛色が濃くなりすぎたため、あまり広くは使われませんでした。

写真は熊本県農業研究センター畜産研究所様より

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