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伏見康生のコラム
「NO.93: 「褐毛和種のお話(2)」」

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2010年6月9日

 さて、前回はいきなり何の説明もなく黒毛和種と高知系褐毛和種の外観の違いを見てもらいましたが、実は・・・褐毛和種には熊本県を中心に飼われている熊本系と高知県を中心に飼われている高知系の二種類が存在します!

 そうはいうものの、昭和十九年八月に「既にこれを一つの固定種と見なしても実際上差支えない程度にまで改良されて来た」として規定された同じ褐毛和種なのですからかなり近縁な二種なのだろう・・・と思っていましたが、これら二種はそもそもの生い立ちが異なり、外観もかなり異なります。

 熊本系は淡い褐色一色の体毛をもち、腹部、四肢内側、眼鼻の周囲が特に淡く、体表のどの部分にも黒色を有することはありませんが、高知系は、前回の写真で見ていただいたように体幹部は褐色ですが、鼻鏡、眼縁、舌、角、尾房、陰嚢、肛門等の色が濃い黒褐色となっています。

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