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松本大策のコラム
「どうやって防ぐ?の2(鳥害を考える その3)」

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2006年11月1日


 あ、感心している場合じゃありません。予防対策に入りましょうね。まず、最低のラインとして、飼槽の上に横木がある場合、鳥さんの止まり木として用意してあげたようなものです。こいつに鳥さんが止まりにくいようにしましょう。僕が良くやってもらうのは、横木の上1〜2cmの高さにテグス(釣り糸)を張ってもらうやり方です。棒の上に一本糸を張るだけなので簡単です。この糸が邪魔になって鳥さんは横木に止まりにくくなります。水場の上も同様です。ただ、この方法はハトやスズメにはかなり効果がありますが、カラスは直接餌箱の中に入り込むことが多いのでちょっとやっかいです。
 カラスにも効果があるのは、爆音ロケットです。これはおもちゃの(?)ロケットが爆音をたててワイヤーに沿って飛んでいく、という物です。牛さんはびっくりしないの?と思われるかも知れませんが、最初はびっくりしていても牛さんは慣れる動物ですから平気です。ロケットは飛ばないけど、爆音だけの鳥追いも効果があります。良く田んぼで見かけるヤツですね。
 あと、カラス対策として毒餌をまく農家さんもいますが、これは獣医師としては勧めるわけには行きません。でも、一応どうやってやるかというと、鰯などの魚のお腹の中に農薬をいれてまいておく、というものです。ただし、即効性はないので食べた鳥がすぐには死なず近所に飛んでいって死んで問題になることがありますし、よほどの山の中でないと、毒を飼い猫や犬、子供がまちがって食べる危険性もあります。これは大問題です。
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