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松本大策のコラム
「どうやって防ぐ?の3(鳥害を考える その4)」

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2006年11月3日


 それから、ネズミ駆除業者さんが「接触毒」という薬剤を高い横木などに塗ってくれて、鳥がとまっただけで死んでしまう、などというやり方もありますが、やはり獣医師としてはお勧めできません。
 牛舎にCDや磁石をぶら下げたりカラスの死体をつるしたり、などの工夫も見かけますが、いずれも鳥が慣れるまでの短い期間しか効果を発揮しないようです。
 畜舎内にナイロン糸を張ってある農場もあります。こちらも鳥が引っかかるのを嫌って、牛舎内に入りにくくなります。しかしあちらこちらにたくさんのナイロン糸を張るのも結構面倒ですし、効果も完全ではありません。それならいっそ、牛舎全体を防鳥ネットで覆いましょう。農協とかに売ってあります。牛舎の出入りは少し面倒ですが、やっかいな病気を持ち込まれたときの面倒に比べれば、日常動作の1つとすることで解決できます。
 あと、僕は新しい牛舎の設計を依頼されたときは、必ずウィンドレスにするようにしています。「窓のない」という意味ですが、牛舎の一方の壁に換気用のファンを並べて、もう片方の壁には空気取り入れのスリット(隙間ですね。もちろんネット付きにして虫の侵入も防ぎます。人や牛さん、資材の出入り口はシャッターかドアにします。この方が鳥野外中の侵入も防ぐことができるし、畜舎環境のコントロールも簡単だからです。
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