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ゲストのコラム
「和牛への支援と将来展望(出雲普及員のコラム第5弾-7)」

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2018年12月21日

7,研修会
 
 仕事柄、農家さんを対象に、色んな所で研修会の講師をすることが多くあります。回数は数えていませんが、普及員時代から月に1~2回のペースでこなしてきたので、多分数百回はしてきたと思います。研修の対象者は、経営主である男性が多いです。たまに、和牛改良組合女性部を対象にした研修をすることがありますが、真剣に話を聞いてくれるのは女性のほうです。そして質問も活発で、身近なことから聞いてくれます。男性は、「こんなことを聞いたらそんなことも知らないのかと思われて恥ずかしい」など、プライドがあるからでしょうか、質問される方は少ないです。

 女性は違います。自ら実践している牛さんの管理で、少しでも疑問に思うことは積極的に聞いてくれますので、講義後の質疑応答が活発になります。話す方としては、質疑が活発なほうがありがたいです。男性が留守番をして、女性が研修会に出席するようなそんな研修会が増えて欲しいと思います。色んな農家さんを見てきましたが、女性が積極的な経営ほど牛さんは丈夫で健康に育っていることが多いです。

 和牛の場合、地域ごとの和牛改良組合の組織がしっかり機能しているので、組合員どうしで情報交換することが多く、色んな情報が伝わりやすいと言えます。私のこれまでの経験上、改良組合員間の連携がとれている地域ほど、取り組んで欲しい技術の浸透が早く、産地としてレベルアップが図られやすいと感じています。女性部、青年部、振興委員などの下部組織が機能している改良組合は、産地として優秀な場合が多いです。やはり、積極的に有用な技術や情報を取り込もうと言う意欲の高い組合ほど、伸びていきます。

 技術や経験を伝えあい、お互いに伸びていこうという気持ちが大事です。産地は集団で作るものであって、個人が作るものではありません。人参、大根、アスパラガスなどの野菜と同じで、和牛も会員の協力があって産地が作られていくことを、これまで色んな地域で見てきました。

 「和を以って尊しと為す」の精神です。


   色んな所から研修を頼まれます

つづく

技術士(農業/畜産) 出雲将之
 
 
~ 出雲普及員のコラムシリーズ ~

出雲普及員のコラム第1弾「幸せな牛飼いとなるための10カ条-1

出雲普及員のコラム第2弾「厳しい時こそ「カイゼン」のチャンス-1

出雲普及員のコラム第3弾「牛さんの気持ちになって考える

出雲普及員のコラム第4弾「牛さんとわたし
 
 

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