(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
ゲストのコラム
牛さんとわたし (出雲普及員のコラム4-1)

コラム一覧に戻る

2013年4月23日

1 牛さんとわたし

 昭和53年留萌の農業改良普及センターを振り出しに、普及員一筋に35年間普及活動に取り組んできました。現在職場にいる20代の普及員は私が勤めだしたころには、まだ生まれていなかったことを考えると、随分経験年数が長くなったものだと感慨を覚えてしまいます。現在の勤務地で9か所目になり、2年しか勤務しなかったところや、9年間いたところなど、勤務地での長短はありますが、その場所ごとに肉牛にまつわる思い出(失敗や感謝、喜びなど)がたくさんあります。

 アドバイスの失敗で肥育牛を1頭だめにしてしまったことや、「肥育牛が水を飲んでくれない」との相談を受けて行ったところ、見た目はきれいな水だったのに、水質に原因があるのではとあたりをつけて水質検査をしたところ、問題のある水であることが判明し解決に結びつき感謝されたことなど、一喜一憂の繰り返しの普及員人生だったと思います。これまで農家さんや地域の関係者から、感謝されることを生きがいに過ごしてきました。人から感謝されたうえにお給料が頂けるのですから、こんなに面白い職業はないと私は思っています。

 若い時は生産者と一緒に自費で何回も肉牛先進地に視察へ行き、勉強もしました。当時のお給料が8万くらいしかなかった時に、本州へ勉強に行くため十万円単位で旅費を工面してくれた妻にも感謝しなければなりません。また未熟者の私に期待を寄せ、辛抱強く付き合ってくれた生産者のみなさんもそうですが、色んな人々に支えられて現在の自分があることを、昔を振り返るたびに強く思います。私を育ててくれた多くの人たちのためにも、それらの農家さんに役立つよう頑張らねばならないと思っています。

 今回のコラムでは、昔を振り返って失敗したあんなことや感謝されたこんなことについて、思いつくままに書いてみたいと思います。お付き合いのほど、よろしくお願いします。

牛さんとわたし (出雲普及員のコラム4-1)

つづく

根室農業改良普及センター 出雲 将之

|