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伏見康生のコラム
「NO.84: 割り込みコラム 〜糞石の謎〜」

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2010年3月31日

 牛体にウンチがくっついて固まり、やがて大きな石のように成長していく糞石・・・ヨロイとともに牛体を飾るアクセサリー(?)。
 時には尻尾にジャラジャラとビーズのように(尻尾を振ると聴診中の顔面にヒットして痛い)・・・また時には小爪が10倍くらいに・・・そして中には尻尾が振れないほどの大きさに成長するものも!!
 写真の尻尾には直径20cmくらいの糞石が3つ、団子三兄弟のように連なっていました!尻尾は虚血で壊死し始めており、あまりにも痛々しいということで剪定ばさみで全て除去。下からは絞扼でビックリするほど細くなった尻尾が・・・(泣)

 ・・・そこで、ふとわいた疑問。表面にぺたぺたとくっつき続けたウンチはやがて乾いて固まり尻尾を一周。その後もウンチはくっついていき大きくなる・・・表面にくっついて成長していくだけなのであれば、なぜあんなに絞扼壊死を起こすのか??
 表面を一周し、乾いたウンチは少しだけ縮む。すると血流が少し止まり、むくむ。またウンチがつく、乾く、縮む、むくむ、縮んだ部分が壊死する。という流れの繰り返しなのだろうか?それにしてもどう見ても元の尻尾の太さよりも細くなっている。
 ・・・後からついたウンチの水分が染み込み、既に乾いたウンチに吸収され、乾燥するときにさらにキュッと縮むのでしょうか??

 いずれにせよ痛々しく、かわいそうですね(泣)

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