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伏見康生のコラム
「NO.67: 「和牛とは!?」」

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2009年11月25日

 左の味のある和牛の絵を見てください。う〜ん・・わ、和牛!!!?

 「和牛」と聞くと、どんな牛をイメージするでしょうか?一般の人はもしかしたら黒毛和牛だけをイメージされるかもしれません。現在定義されている「和牛」は、黒毛和種無角和種褐毛和種日本短角種の4種類です。昭和十九年八月に中央畜産会と政府により「和牛は既にこれを一つの固定種と見なしても実際上差支えない程度にまで改良されて来た」として前者3種が和牛と規定されました。(「和牛」 石原盛衛)
 昭和十九年に規定された・・・改良されてきた・・・ということは、現在の和牛は日本の在来牛そのまんまではないということです。「和牛」とは明治三十三年に日本政府が和牛の改良に乗り出し、44年の歳月をかけて生み出された品種なのです。

 左にあげた絵には昔の日本人が描いたかつての日本の牛の姿です。改良される前の日本の牛はどこから来て、どんなものだったのでしょうか?この話題に関しては日本人の起源にまでさかのぼり、民俗学、考古学、古生物学を巻き込んださまざまな研究が行われてきました。壮大すぎるため、コラムでは詳しく取り上げられません(笑)。しかし、この絵を見ると日本の牛がどんな姿・形だったのかその一端をうかがい知ることができ、とても想像力を膨らませられます。

  日本短角種は昭和18(1943)年に登録を開始して、褐毛東北種と呼ばれる牛が誕生し、昭和32(1957)年に審査標準を統一、日本短角種として登録を一元化されています。

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