(5)飼槽
飼槽は子牛のご飯を入れるお皿です。たくさん食べて大きく育ってもらうために、食べやすさと清潔さ、そしてすすんでもう一口食べたくなるような設置の工夫が必要です。飼槽について、主に構造の点からあれこれと考えてみたいと思います。
a)設置形式
ハッチに使用する飼槽の設置形式には、固定型と可動型があります。固定型は直接ハッチに木箱などの飼槽を取り付けるタイプで、可動型は完全に別物の飼槽をハッチの前に置くものです。「安定性があること」と、「洗浄ができること」、どちらにもメリットはありますが、飼槽の枠は固定され本体は取り外せる半固定半可動にするのがもっとも合理的です。
b)材質
木製と樹脂製(プラスチック)を比較したとき、細菌の繁殖しやすさとその場合の洗浄を考えると樹脂製が優れています。こまめに飼槽の掃除をしていても、特に湿度の高い夏場には、木製の飼槽ではヨダレなどの水分と食べ残しの有機物が混ざって木の繊維に入り込み、細菌の温床となりやすいです。また木製ではどうしても飼槽にカドの部分ができ、時間の経ったスターターやそのカスがたまるため、同様に細菌が繁殖しやすいです。
今は100円ショップなどで安価にさまざまなプラスチック製品(なかなかいいのもあります!)が手に入り、コストパフォーマンスにも優れています。