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伏見康生のコラム
「NO.51: I LOVE HARD!! 第13回 「子牛用ハッチ(11)」」

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2009年7月29日

(4)敷料と床材その6

d) イナワラ
 イナワラは北海道をはじめとして多くの地域で子牛の敷料として用いられています。また麦稈(ムギワラ)が多く取れる時期には同様に敷料として用いられます。その特長としては、吸水率が高い、含気量が多い、保温性に優れる、掻きだしやすいといった点が上げられます。吸水率は高くともノコクズのように尿が表層ですぐに吸い込まれてしまうわけではないので、ふかふかと大量にしいてあげればさほどこまめに追加せずに管理でき、保温性も高まります。使用後の掻きだしもフォークなどでサクサクと行えます。
 ところが、鹿児島ではイナワラを敷料とする農家さんはあまり見かけません。これは、イナワラの取れる量、コストうんぬんではなく、「鹿児島は肥育牛が多くイナワラは大事な粗飼料」「北海道は乳牛が多くイナワラはムギワラ同様にあくまで副産物」という認識の違いによるところが大きいと思われます。

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