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松本大策のコラム
伝説のLPS!

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2018年7月23日

 今回のは、なんだなんだ?昔のロックバンドか?と思われてしまいそうなテーマですが、実はこれリポポリサッカライドという物質の名前なんです。
 舌を噛みそうな名前ですが、僕のコラムには、別名でよく出てきているんですよ。第一胃の異常発酵で悪玉菌が死んだときに、菌の細胞壁が壊れてその成分が出てくるという「エンドトキシン」がそれです。

 「エンドトキシン」という呼び名は、内毒素という意味で、グラム陰性菌というバイ菌の仲間が細胞壁に含んでいる物質です。これらのバイ菌が死ぬと、細胞壁が壊れてエンドトキシンが放出されるのです。その物質名がリポポリサッカライドなのです。
 エンドトキシンは、筋肉水腫やノコクズ肝、代謝性腸炎などの原因として何度もお話ししていると思います。でも、今回お話しするのは、そういった毒性を持たない「リポポリサッカライド」についてです。

 僕の恩師の故出口栄三郎教授が研究なさっていたのですが、アクロモバクター・ステノファリスという、海産物から取れる細菌の細胞壁のリポポリサッカライドは、毒性がなく、牛さんや人に与えると、強力に免疫賦活してくれるのです。
 実は、このリポポリサッカライドは「ドモンL」という名前で、犬のジステンパーの薬として旧田辺製薬から販売されていたのですが、他の病気に対知る承認もなかったため、薬屋さんの製造が見会わないという理由で製造中止になったのです。販売は田辺製薬でしたが、製造は小さなメーカーでした(名前忘れちゃった(^^;))。そのメーカーも今はなく、アクロモバクターを見つけた、中国海洋大学の教授もすでにお泣くなりになられていて、原体も入手できません。

 僕が、なせこのLPSにこだわるかというと、抗生物質と違って、バイ菌をやっつけるのではなく、からだの免疫を強力に高めてバイ菌をやっつけるものだからです。つまり、今の抗生物質と違って「耐性菌」の心配もなくバイ菌をやっつけることができるのです。
 僕は、出口先生のもとで、牛さんでも試験しましたし、C型肝炎の人間二人がたった一ヶ月(全部でたった10ml)を飲んだけで治っていくのをこの目で見たからです。もう、薬事法も医師法も時効ですから、名前を明かすと、出口先生のお兄様と、僕の大学院の同級生だったカタール・ドズ・ラズ君です。
 カタール君は、外国人なので健康保険がなく、病院で長い間治療を受けていましたか、医療費はかさむし、効果はいまいちで悩んでいたので、出口先生が「これを3日に一度1cc飲んでごらん」と勧めてくれたのです。その前に、同じ病で苦しんでいた先生のお兄様が治ったという事で先生も確信を持っておられたのでしょう。
 結果は、一ヶ月後の検診でカナール君は、治癒という判定を受け、お医者様からも「何をしたのか?」と聞かれて困った と言っていました。

 すでにドモンLも薬剤承認を取り消してあるとのことで、僕は、これだけの可能性を秘めた薬を復活させてほしいのです。類似の製品はありますが、効果はさほど感じられませんでした。

どこかの薬屋さん、抗生物質とバイ菌のいたちごっこを終わりにするために、ぜひ取り組んでいただけないでしょうか?
 
 
 
 
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