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松本大策のコラム
シンギュラリティーって知ってる?

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2018年7月27日

 ここのところ、「AI(人工知能)が人間の知性を超えることで、この世界に大きな変化が訪れる」というお話しをよく耳にします。これが、未来予測学という学問でいうところの「シンギュラリティー」というものです。

 畜産の現場でも、発情を発見する「牛歩」や分娩を予測・発見する「牛恩恵」に始まり、牛さんの行動からさまざまな異常を発見する「U-Motion」など、日々進化するAIというにはまだ大げさかもしれませんが、センサーとコンピュータをつないで観察の補佐をするIT製品が続々と発売されています。

 しかし、まだ今のところ、これらの機械は、牛さんの行動を数値化して目に見える形にするにすぎません。畜主さんが、日々しっかり目を通して、いかにその変化を速やかに捉えることが出来るか、がとても大切です。
 こうした先進的な機械を導入しただけで、安心してしまっていては、せっかくの高価で高性能の機械も宝の持ち腐れです。

 こういうことはパソコンの黎明期にも起こりました。たとえば、パソコンで優秀な繁殖管理ソフトを導入しても、それまで紙の台帳をしっかり付けていた農家さんは、平均分娩間隔とか次回発情予定とかの、そのソフトの恩恵を受けることが出来ましたが、紙の台帳管理がしっかり出来ていなかった農家さんでは、入力に漏れがあったり、入力自体が面倒だったり、結果をしっかり見ていなかったり、とソフトを活かすことが出来ませんでした。

 優秀な機械やITの力を借りるにも、「人間」の日常の管理がしっかりしていないとダメだということでしょう。そういう意味では、まだまだ「シンギュラリティー」は先のような気がします。

 ちなみに、AIが発達しても獣医さんの仕事は奪われることがないと、仲間内では話しています。優秀なAIがこんな仕事選ぶわけはないって。
 
 
 
 
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