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伏見康生のコラム
「NO.49: I LOVE HARD!! 第11回 「子牛用ハッチ(9)」」

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2009年7月15日

(4)敷料と床材 その4 
 
b)もみがら
 もみがらとノコクズを比較したとき、中央畜産会のデータ(前回の表を見てね)によると吸水率がおよそ五分の一、それに対し同重量における体積は約二倍。この数値から読み取れるもみがらの性質は、かさがあり、排水性が良いということ。「子牛が垂れ流したおしっこはもみがらにあんまり吸われることなくサラサラと隙間を抜けて床へ、子牛がひりだしたウンチは表面にもみがらを貼り付けて逆おはぎ状態になり、重いので床へ」といった感じです。ですから肥育牛の牛床で見られるように、ノコクズは糞尿と混ざり渾然一体となって床を形成していくのに対し、もみがらはいまひとつ混ざりきらず異物感を漂わせています。
 このもみがらの高い排水性を利用したものに「もみがらハッチ」というものがあります。実は私も写真だけでまったく現物は見たことがないんですが(^_^;)ハッチの床から40センチほどもみがらを入れて、その上で子牛を飼うというものです。この構造で子牛は一切敷料交換も追加もなく離乳まで管理できるということです!!安価に豊富にもみがらが手に入る地域ではこれはかなり心強い敷料なんではないでしょうか!実際試してみたいものです。
 もみがらの欠点として、非常に硬質で有棘性の種皮であるため、蹄冠部や蹄球の皮膚移行部などに刺激があると言われます。
 ところで、粉砕もみがらって何でしょう??それはプレスパンダーなどで粉砕処理したもみがらを指しています。吸水率は未処理の2〜3倍となかなかのポテンシャル!さらに可消化成分が多く、飼料として用いることができると!!では、プレスパンダー処理とは一体??さらに詳しく調べていくと「ポン菓子機の原理をもみがらに応用」したもののよう。作り方は加水・加圧・圧縮→大気に放出。で、出来上がり。性質から、敷料としてはもみがらよりもノコクズのような使い方が適しているようです。
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