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(4)敷料と床材 子牛のハッチ内の敷料、床材は子牛の健康と密接な関係があります。子牛が生活する床を排水(吸水)性が高く、保温性に富む清潔なものにすることは、子牛の健康の維持に欠かせないものです。なんとなくそれはもちろんそうだと感じるようなことですが、具体的にそうしないと子牛に一体どんな悪影響が出るのかを考えてみると、ポイントも絞りやすく、さまざまな敷料と床材の長所と短所もおのずと見えてきます。 (1)排水(吸水)性 排水・吸水の悪い床では子牛の体は常に濡れた状態となります。動物の被毛は立毛筋の巧みな働きによって体温のコントロールをしますが、濡れた状態ではその役割を充分に発揮できません。また成牛に比べ子牛はずっと寒さに弱く体温の恒常性も低いため、蒸発熱がどんどん体表の熱を奪ってしまいます。そうすると体は失われた熱を補おうと盛んにカロリーを消費するので、著しく体力が奪われ、免疫力の低下、増体の落ち込みにつながります。 また、尿がいつまでもはけずにとどまっていると子牛の気道はアンモニアの化学的刺激によってダメージを受けてしまい、病原菌に感染の絶好のチャンスを提供することになります。 (2)保温性 子牛の寝床の保温性を高めることは、排水・吸水性の項でも書いたように子牛の体力(カロリー)を無駄に消費させないために大切なことです。また寝ているときに腹部が冷えるというのはすぐに下痢に直結します。下痢が子牛に及ぼす被害は周知の通りです。私たちが行った実験でも、下痢を起こした子牛はその週の増体が著しく落ち込む、あるいはまったく伸びないという結果が得られています。
よって排水・吸水性が高く、保温性に富む敷料と床材が求められるわけです。次回は具体的な敷料・床材の考察です。 |