さて、では具体的にどんなハッチが前述の「メリット」最大限に活かすことができるのか?ハッチのデザインや材質、レイアウトなど、以下の項目について検討していきたいと思います。
(1)設置場所
(2)サイズ
(3)材質
(4)敷料
(5)飼槽
(6)その他
(1) 設置場所 「屋内VS屋外」
屋内か、屋外か・・・これはハッチだけの問題にとどまらず、牧場全体のデザインにタッチするような壮大な話になってきそうです。 「よし、子牛のために牛舎を改築だ!!!」・・・筆者には責任を負う能力が一切ありませんので、気軽に読んでください(笑)
a)屋内
屋内すなわち牛舎内にハッチを設置すると、寒冷・暑熱・風雪雨といった気象要因によるデメリットを強力に排除することができます。またそれは子牛自身への直接的影響を防ぐだけではなく、飼料、敷料の濡れや飛散といった間接的影響への効果も期待できます。
ただ、屋内にハッチを設置する際に問題となるのは何より設置スペースの確保です。場所がなければ置けません(泣) 牛舎内ではなくても堆肥舎の屋根の下にハッチを並べる工夫をされている方もいるようです。後述しますが、狭い牛舎内に苦し紛れに無理やりハッチを作っても、換気の悪化や不衛生状態を生み出し、かえって疾病の流行を招きかねませんし、邪魔になっては作業効率にも影響が出てきます。
b)屋外
屋外にハッチを置くと、自然換気と日光による乾燥・殺菌効果が期待できます。子牛がハッチで生活するおよそ2〜3ヶ月間、そんなに掃除や消毒を頻繁にすることはできませんので、自然の力で衛生的に保たれるということはとても大きなメリットです。また、牛舎内のスペースをとらないので、子牛が軽く運動できるくらいの広さを確保できるのも魅力です。広さがあれば子牛はのびのびと生活できますし、糞尿で子牛が汚れることも少なくなり、敷料の交換も減ります。
一方、あくまでも外ですので、過酷な日差しや寒さ、雨などは当然子牛の体力を著しく落とします。メリットと矛盾するようですが日よけ、風よけ、雨よけのための屋根と本格的な部屋構造が必要です。
屋内、屋外、ともに利点欠点はありますが、あくまで、私の住む鹿児島県で、子牛のことだけを第一に考えて、という条件なら今回の設置場所対決・・・「屋内の勝ちいいぃぃぃぃ!!」
因みに理想形は、牛舎内に、午前中の涼しい時間には日差しが差し込み、風通しが良く、雨が入り込まない、充分なスペースのあるハッチを設置ということになります(笑) そこに引っ越そうかな・・・