繁殖農家さんに行くと、人工哺育農家さんでは必ずといっていいほど子牛用ハッチがあります。繁殖のための早期母子分離、育児放棄、疾病の予防など、ハッチに子牛を移す理由はさまざまあると思いますが、目的はひとつ、幼若な子牛を個別に管理し健康に育てるということです。では カーフハッチを使うメリットは?そしてそのメリットを活かすために必要な機能は何でしょうか? ハッチを用いることの最大のメリットは、「か弱い子牛を厳しい外環境(暑さ・寒さ)や様々な病原体(細菌・ウィルス)から守ることができる」、そして「個別管理することでわずかな体調の変化や糞便の異常などにも気がつきやすい」という二点にあります。すなわち疾病による健康状態の悪化とそれに伴う生産性の低下を防ぐことができることです。 そのメリットを活かすために必要な機能はとは、一言で言うならば独立性だと思います。詳細にはまず外部環境からの独立。寒冷や暑熱のストレッサーの軽減や、糞尿の刺激ガスの排除。そして他の個体からの独立。疾病の水平感染を防ぐための、隣の子牛と接触することができないような構造の構築です。 ここまでくると、理想論のようですが・・・どこまでこの機能を満たすようなハッチに近づけるかがハッチのメリットを最大限に活かすことにつながります!!子牛が生まれたらおへそを消毒して、初乳を飲ませて、母子分離して、用意しているハッチに収容して一安心・・・してしまいそうですが、大切な子牛ちゃん、最高に快適な環境を提供しなくては!!
(つづく) |